マヨール広場だがハイネケンで乾杯 | いろいろおいしい。

マヨール広場だがハイネケンで乾杯

スペインに行ってきました。


たいへんだった!


大学生のとき、初めてスペインに行って

バルセロナのサグラダ・ファミリアや

マドリッドのプラド美術館や

ピカソのゲルニカに感動して、

卒業旅行と称してさらにもう一度旅行したことがある。


でも、その時とは違っていた。

学生のお気楽観光旅行と違って、

今回は仕事なんだから、まあ当たり前なんだけれど。

お金を持っていて、しかもガードの緩い日本人は

ひったくりの大ターゲットになっており、

スペインに入国する外国人旅行者の中で

唯一日本人だけがパスポート携帯義務を免れているという。

(持ってると取られちゃうから)。

今やスペインは、なかなかハードな状況になっていたのです。


しかも、日本⇔スペイン間の直行便を運行している航空会社は

どこにもない。

ヨーロッパの大空港で乗り継ぎしなければ、

スペインに辿り着くことはできないという。

あんなに身近に感じて、大好きだと

まあ2回行ったくらいで勝手に思っていたスペインが

何だかすっかり遠くなってしまったような気がして

怖気づきながらよろよろと日本を発った。


アムステルダムを経由して、マドリッドに入り、何とかホテルへ着く。

翌日は、先にチェックインしているはずのカメラマンと

朝ロビーで待ち合わせして、早速取材に出かける予定。


このカメラマンと一緒に仕事するのは、今回が初めてである。

飛行機代がやたらと高いので、ヨーロッパに取材に行くときは、

ヨーロッパ在住のカメラマンを招くことが多い。

スペイン語はおろか、英語もままならない私のパートナーにと

探し出されたのが、ミラノに住む彼だった。

英語とイタリア語(のちに広東語もベラベラであることが発覚する)を

自在にあやつる日本人の彼は、通訳兼カメラマンという

過酷な仕事をにこやかに引き受けてくれたのだった。


取材初日。

とりあえず市内をぐるりと回り、少しでも土地勘を養いたいというくらいの

余裕があるスケジュール。

一週間、一緒に仕事をするために、まず必要なのは乾杯ですね。


マヨール広場近くのカフェのテラスで、ビールをオーダーする。

自慢じゃないが、昔からコレだけはスペイン語で言える。

「ドス セルベッサ、ポルファボール!」

来たのはなぜかハイネケンだったけれど、とにかくまずは乾杯。


いろいろ不安な取材旅行。何とか無事終わるように。

本当に祈る気持ちと、酔っぱらって逃げてしまいたい気持ちと半々で

ハイネケンのグラスを鳴らしたのが旅の始まりでした。